令和れいわ年度ねんど受賞じゅしょう作品さくひん

令和れいわ年度ねんどは、総数そうすう439てんの応募があり、厳正げんせい審査しんさ結果けっか下記かきのとおり受賞者じゅしょうしゃ決定けっていいたしました。
受賞者じゅしょうしゃ一覧いちらん(PDF)はこちら

美術部門びじゅつぶもん

最優秀賞(さいゆうしゅうしょう)

立体造形(りったいぞうけい)

「光る木見たくて、やってきた」濱田 聡

針金、アルミテープ

大きな作品を作りたいという想いが強く大きな作品に挑戦。手先の器用さを活かし、針金とアルミテープを使い、未来への希望・想像の光る木を制作。そこに、彼のテーマである車も。毎日コツコツと仕上げた大作です。

※応募の際に、素材等やコメントが添えられたものをご紹介しています。

金賞きんしょう

絵画かいが

「アルパカの顔」
福島 操

金賞きんしょう

絵画かいが

「共に歩む」
フクマ

キャンバス、アクリル

いきおいと想いをこめて描きました。1人にも2人にも見えるので、見た人の心にうつる解しゃくをしてもらえたらうれしいです。苦しみも喜びも共に歩みたいというおもいです。

金賞きんしょう

絵画かいが

「次から次への巻物シリーズ
①日本の田舎から町まで
②絶滅危機動物」
池本 伸治

色鉛筆、マジック、巻紙、石文鎮

実はこの作品の全長は10m!巻紙に次々とひらめきがつめこまれ、あっという間に10mの大作を2本完成。残念ながら全てをお見せできませんが、みなさんも一緒に次から次へのひらめきの世界へ!

銀賞ぎんしょう

絵画かいが

「寝台特急」

画用紙、色鉛筆

自分のイメージで寝台特急の間取りを考えてみました。自分好みの寝台特急ができました。

銀賞ぎんしょう

絵画かいが

「ぼくにはこう見えるんだよ」
岸本 拓也

黒ケント紙、白漫画ライナー

白黒の世界にはまり、5つの作品を制作し、組み合わせました。
①パンダの誕生 ②帆船 ③馬
④麒麟獅子 ⑤馬と馬小屋
定規を使って描く、不思議で素晴らしい世界。あなたにはどんなふうに見えますか。

銀賞ぎんしょう

写真しゃしん

「葉っぱアート」
地域活動支援センターひまわり

リトさんの作品を見て挑戦しました。葉っぱはみんなで公園に行って集めました。下書きやカットしたりするのが初めてだったので失敗もあったけど、楽しみながらそれぞれ工夫して仕上げました。

銅賞どうしょう

立体造形りったいぞうけい

「未来都市米子」
NPO法人いるか

子供たちが話し合い、未来の米子を作り上げました。未来では怪我や病気がないので、病院が必要無かったり、生き物と人間が楽しく安全に共存してほしいので、車は道路を走らず空を飛んでいることを想像しました。

銅賞どうしょう

立体造形りったいぞうけい

「サイコロつみきセット

西尾 玉子

木材、マジック

マンダラぬり絵から始まったアート。きれいな色彩感覚を紙の上だけでなく、今回は木材で表現してみました。知人に竹籠を編んでもらい、楽しいつみきセットができました。

銅賞どうしょう

写真しゃしん

「「ぐにゃ」って曲がっている靴箱」
潮 彩華

写真

この写真は、高等部玄関の靴箱を「うずまき」で撮りました。真ん中がぐにゃっと曲がって靴が取れなさそうなところがおもしろいです。

文芸部門ぶんげいぶもん

最優秀賞(さいゆうしゅうしょう)

「みみずのうた」無難P

パソコン、AI

夏場の夕方、散歩に出かけると必ず見つける。どうして熱いアスファルトに出て来たのかな?思うことがあり書きました。何を目指していたのか、みみずでないのでわかりませんが、楽しんでいただけたら幸いです。

※応募の際に、素材等やコメントが添えられたものをご紹介しています。

金賞きんしょう

短歌たんか

「母の思い出」
岡田 千里

幼い頃、家族で梨の袋かけに出かけたことを思い出す。母の手作りのいなり寿司の味が懐かしい。

銀賞ぎんしょう


「こんにちは 新しい世界」
藏密 竜也

上質紙

中学生の頃、3年間お世話になった先生に、高校生になって新しい場所で、楽しく過ごしていることを伝えたいと思い、詩をつくりました。皆様にも強く明るい気持ちが伝わると嬉しいです。

銅賞どうしょう

「感情のダイエット」
中木 美穂

タラレバを繰り返す自身と静かに向き合った時、気づいたことを詩で表現し、お気に入りの写真とともに一つのアートにしました。

マンガ部門ぶもん

最優秀賞(さいゆうしゅうしょう)

4コママンガ

「てるてるくん」えのきたけ

パソコン、AI

毎日、同じことの繰り返しで、つまらないと感じることはありますか?ああだといいな〜、こうだといいな〜、と思うのは誰でもある事だと思います。そんな日常の一コマをてるてるくんに代弁してもらいました。

※応募の際に、素材等やコメントが添えられたものをご紹介しています。

金賞きんしょう

4コママンガ

「ユウウツ。」
たかちゃんぷQ

デジタル原稿、Windowsアクセサリのペイント、マウス

自分の体験をアレンジして作品にしました。

銀賞ぎんしょう

4コママンガ

「やっぱりやめたシリーズ」
みなとくん

フェルトペン、油性マーカー、ミリペン、マンガ原稿用紙

毎年、挑戦させて頂いています。毎回自分の中で、昨年より良いマンガが描けて嬉しいです。マンガを描くのは楽しく、ネタを考える時には笑っています。皆さまにも楽しんで頂けますように。

銅賞どうしょう

4コママンガ

「池照タクヤ ダジャレ王に会う」
ヒノキ風味

マンガ原稿用紙、筆ペン、水彩など

こりずに池照タクヤ作品です。今回は、我が県の有名なH知事さんをモチーフにしたT県と池照タクヤのコラボマンガ2作です。あくまでもモチーフです。クスっと笑ってもらえたらうれしいです。

審査(しんさ)(いん)講評(こうひょう)

美術びじゅつ部門ぶもん

 新型コロナウイルス感染症の流行が終息しない中とはいえ、今年もあいサポートとっとり展が無事に開催されたことをまずは喜びたいと思います。応募総数の388点は昨年の397点より微減していますが、ほぼ例年通りの規模といえるでしょう。ただし今年も小ぶりな作品が多かった点は作品の展示効果という意味でも残念でした。コロナ禍の影響はなおも続いており、施設によって指導者が指導に入りにくい状況もあると聞きました。今回、書道部門がやや低調であったことはこの点と関係しているかもしれません。

 とはいえ、例年になく多くの魅力的な作品、抜群の魅力をもった作品の応募があったこともまた事実です。最初の審査の結果、二点の作品が審査員全員の満票を得ました。これはこの展覧会で初めてのことです。濱田聡さんの《光る木見たくて、やってきた》と福島操さんの《アルパカの顔》はいずれも力のこもった大作であり、応募作品の中でも圧倒的な存在感がありました。これら二つの作品にも共通しますが、今回受賞した作品は多くが独特の形式や技法を用いていました。池本伸治さんの長さ10メートルに及ぶ長大な絵巻、地域活動支援センターひまわりの集団制作による落葉のコラージュなども審査員の目を引きました。一方で抽象と具象のあわいに浮かび上がるフクマさんの人の顔のイメージ、電車にまつわる無数のイメージが緻密に描きこまれた唯さんの《寝台特急》、そして岸本拓也さんの線描を用いた独特のモノクローム絵画などはこの展覧会でしか出会えない豊かな創造性の発露といえるでしょう。

 今年度より受賞作品はヴァーチャル空間に新設される「バリアフリー美術館」に収蔵されるといいます。インターネットを介してどこにいてもこれらの優れた作品にアクセスできることも新しい楽しみですが、やはり美術作品は実際に目にしてこそ、その魅力に触れることができるでしょう。会場に多くの方が足をお運びになることを期待しております。

鳥取県教育委員会美術振興監 尾﨑 信一郎(おさき しんいちろう)

文芸ぶんげい部門ぶもん

  • 最優秀賞 「みみずのうた・無難P」
    音楽性のある作品。ほとんど地中に暮らし、人目につくこともなく存在感の薄い「みみず」を主人公にして、その死というマイナスの情況から、リズムを刻みながらプラスの方向へ転化させてゆく構成力が見事だ。
  • 金賞 「母の思い出・岡田千里」
    梨農家に育った作者の一連の短歌。「七時半」、「小指の頭」、「いなりずし」等、一首の中に具体を示す言葉が折り込まれていて、冗漫に陥りやすい思い出話を程よく引き締めている。過ぎ去りし思い出ではあるが、それを過去形ではなく現在形で詠まれている点にも注目したい。
  • 銀賞 「こんにちは 新しい世界・蔵密竜也」
    明るく前向きな姿勢が他者に元気を届けてくれる作品である。文章の基本は起承転結だが、その「転」にあたる「樹木の年輪のように」、「大きな織物のように」、「空に虹がかかるように」の3つの比喩が実に有効である。この部分によって、「結」となるラストの君への報告に大きな飛躍をもたらしている。
  • 銅賞 「感情のダイエット・中木美穂」
    この詩の作者は車椅子に乗った(白いぬいぐるみが見えるから)少女だろう。見つめる先には神社がある。ところで詩は作者のものとして、写真の撮影者は誰だろう。おそらく作者の近親者であろうが、作者の目、撮影者の目、さらにこの作品を鑑賞する第三者の目という三重構造の視線が、この作品に注ぎ込まれている。「ここにいるよ。気づいて」というフレーズは作者の心の底からの叫びと同時に、視線の奥にある聖なる場所からのメッセージなのかも知れない。
  • 佳作 「オレの足は手の代わり・高橋俊和」
    まずは圧倒的な筆致に目を見張らされる。調べて頂いた所、タイトル通り足で書かれたとの返信。それもA3サイズの紙に・・。これまでに何度か入選を果たしている作者だが、ここまで精緻に描けるようになった。その努力と上達ぶりに、万雷の拍手を送るしかあるまい。
  • 佳作 「好きで生きていたい。・青い雑種犬」
    止むに止まれぬ心の葛藤が、幾度も情況を変化させながら展開される作品。そのキーワードとなるのが「ふつう」。良くも悪くもない状態の「ふつう」は、あくまでも相対的な価値基準でしかない。この世に生を受けたからには「自分が自分であること」という絶対的な価値を見い出すことが何より大切だろう。ラストの「好きに成ってイキテいたい」に、大切な何かを得ようとする願いが強く伝わってくる。
  • 審査員特別賞 「鳥取県腎心会 川柳作品・鳥取県腎心会」
    県東部・中部・西部の腎臓透析者71名による合同作品。多くの中から何句か採り上げてみる。「患者会 生きる勇気が 入会後」。決して一人ではなく、同病に苦しむ仲間がいること。連帯を感じるからこそ、生きる勇気が湧いてくるのだろう。「透析は 出愛ふれ愛 めぐり愛」。袖ふれ合うも多少の縁。その縁は互いを思いやる気持ちに繋がってゆくのだろう。「透析後 ナース笑顔に 救われる」。病む身にとって笑顔が最高の特効薬なのだろう。これからも、健やかな吟詠をお祈りいたします。
  • 審査員特別賞 「コンビニスイーツ・加藤ゆかり」
    四季折々の旬の果物を食材にしたスイーツが四六時中、街の中心からほど遠い郊外でも買い求めることが出来る現在。便利さと豊かさを兼ね備えているのがコンビニである。ただし、この状況が当り前になると人は何時しか感謝の気持ちを忘れてしまうもののようだ。そんな風潮が見られる中で、本作品中に「知らない人たちの、遠くにいる人たち手作業、ごくろうさまです」という製造者への感謝のフレーズに出合う。また「社長さん、ここに店を作ってくれて、ありがとう」とも。自らの欲求を満たすだけでなく、満足感を与えてくれる背後の人々に思いを及ぼして有難さを実感する。このような心の有り様には、スイーツに勝る甘露な味わいが含まれている。
  • 審査員特別賞 「願い・葉菜」
    ささやかで、さりげない作風に、他者への思いやりがこもっていて、とても好感が持てる。やや右肩上がりで筆圧の弱そうな小さな筆跡が、まるでそよ風の響きのように聞こえてくる。淡いイメージのままストーリーは進行するが、終盤に「君がそうして生きてきたように」というフレーズが不意に現われる。少しだけスパイスをここで利かせている感じだ。ラストの「誰かの役に立ちたいと思う」という願いは、必ず叶うことだろう。

総評
常連となった方々の作品は、年を追うごとに、技術の向上が認められる。まさに「継続は力なり」だ。また今回、3名の初入選者を得たことは、とても喜ばしいことでもある。自らの可能性を信じて、来年も多数の応募者があることを願いたい。

鳥取県歌人会 会長 倉益 敬(くらます けい)

◎マンガ部門ぶもん

どの作品も画力、表現力のレベルが高く、またアイデアも多彩で審査員一同大いに悩みました。

  • 最優秀賞
    N0094「てるてるくん」は、窓辺で外を眺めるてるてる坊主の日常を描いた作品ですが、その世界観は実に広く、想像の中でのびのび大海原を旅します。妄想の末、結局のところ計画を中止するてるてるくんですが、ひょっとしてまた妄想を繰り返すのかも?そんな余韻を残す哲学的な作品です。絵の方では、プロ用のグラフィックソフトをさらっと使いこなしている点に驚きました。
  • 金賞
    N5108「ユウウツ。」は、一見簡単な線だけで、それもモノクロで描かれたシンプルな作品ですが、線と情報を、これ以上何も省けないギリギリまで省いた自由律俳句のような作品です。セリフだけにした2コマ目と、4コマ目も母子の背中越しに見える家にセンスを感じました。
  • 銀賞
    N0155「やっぱりやめたシリーズ」は、こなれた線、色選び、いきいきしたキャラクターや表情、構図、4コマの構成、効果線など優れた点が多く、審査員一同をうならせました。
  • 銅賞
    N5037「池照タクヤ ダジャレ王に会う」では、ついにタクヤに負けない強力なゲストキャラが登場しました。タクヤとともに表情が多彩で、描き手の力量を感じます。使いどころを心得た筆ペンの使い方も見事でした。
  • 審査員特別賞
    N2067「シン・コーヒー完成!?」は、4コマに4パターンの感情と表情、演技に感心しました。4コマ目、塩コーヒーの完成をよろこんでいますが、結局検診はどうなったのだろうと、その後が気になる結末も秀逸でした。
  • 審査員特別賞
    N0100「ポヨヨとポニー「にじ」」は、下書きなしで一発描き。簡単に描いたように見えて、なかなか手慣れた書き手です。虹が見えて消えていくだけのありふれた出来事も、ふたりで体験すると心があたたかくなる。そんな、幸せな読後感のある作品でした。
  • 審査員特別賞
    N0010「ツンデレ」は、猫のいる日常でくすっと共感させる秀作です。余計な線や色の省き方、コマ運び、余韻の持たせ方にセンスを感じます。この絵で長編が読みたいと思いました。
  • 佳作
    N5082「打たせ湯」は、カピバラの演技力がすごい。1〜2コマのモノローグと表情がピタっとはまっているのも見事。作者のカピバラ愛が絵に表れています。4コマ目の母娘を後ろ姿にしたのも上手です。
  • 佳作
    N0093「うなぎ武勇伝」は、キャラクターの完成度が光ります。シンプルな絵に見えて、実は細かくハイライトが入ったり、ていねいです。
  • N5083「今流行りのセット販売!?」は、謎のおじさんに可能性を感じました。ありがちな日常の出来事でも、こういうキャラクターが一人いるだけで世界観が完成します。1コマ目のボタンを、読者が見落とさないようにもう少し目立たせると、さらによくなるでしょう。タイトルでオチがわかるのが惜しかったです。
  • N1040「ねぇ、聞いて!」は、個性の強いキャラクターに可能性を感じます。主人公の喜怒哀楽もですが、相手役の表情も負けずに多彩です。大きな用紙を2枚使ってのびのび描いている点にも好感が持てました。

全体を通して見ると、今回はキャラクターがイキイキした作品が多く、1コマ目を見ただけで楽しくなり、次のコマを読みたくなりました。また、アイデアや視点もさまざまで4コママンガの可能性を感じる審査になりました。

次回も楽しみにしています。

マンガクリエーター 角田 治(つのだ おさむ)

)